社員インタビュー
東野 綾斗
東野 綾斗
スタッフ(精神保健福祉士)
2020年入社
日本福祉大学卒業。外からは見えづらい精神疾患に寄り添うケアに関心を持ち、在学中は精神病院やB型作業所で実習を経験する。退院後のサポートや支援方針に従事したいと考え、しんに入社する。
◆社員インタビュー
Q.働く前と後で感じたギャップはありますか?
A.メンバーさんとの関わり方でしょうか。実際に業務に携わるようになって感じたことは、相手がスタッフだから何でもすぐに打ち明けてもらえるわけではないということです。在学中に学んできたことではありますが、実際に一人ひとりと信頼関係を築いていく難しさは働き始めてから実感しています。話したいと思ったときにいつでも聞いてあげられるようにしたいですし、かつ自然に聞けるようにもなりたいです。
距離は詰めたいけれど、メンバーさんのプライベートにどこまで踏み込んで聞いて良いのか、構われたいのか放っておいてほしいのか。会話しながら丁度いい加減を見つけていくのが難しいところです。ただ、うまくいかなくても、きちんと向き合おうとする姿勢を持つことがメンバーさんからの信頼につながるはずです。まずは目の前の人への好奇心を持ち、焦らず関係性を作っていくことがスタッフ1年目としての目標です。
Q.支援をする上で心がけていることを教えて下さい。
A.普段は施設でメンバーさんの悩みや普段の生活の様子をヒアリングしています。やはり「働く場所を見つけたい」と相談される方が圧倒的に多いですね。じょうしんスタッフにはキャリアアドバイザーが在籍しているので、その都度相談しています。働く場所どういう働く場や家庭にどういう環境を求めているのかを細かく聞き、ゴールは同じでも、本人がやりやすい道が他にないか一緒に探すように心がけています。
もう一つは、初心を忘れないということです。精神障がいの苦しみは、経験者でなければ完全に理解することは難しいでしょう。僕は幻覚を見たことがありません。だから、幻覚に苦しむ人のことを完全に理解することはきっと不可能です。でもこの仕事では、本人にしかわからない生きづらさにたくさん直面します。そこで「わからないから知らない」ではなく、わからないなりに理解しようと歩み寄れる人でありたいと思うのです。また似たような症状を訴える人に対し「あの人はこうだったからこの人も同じはず」ではなく、一人ひとりの気持ちを想像し、同じ立場に立って考えたい。苦しさやもどかしさは他人と比べるものではないということを、支援者の僕が忘れてはいけないと考えています。
全てわかったつもりになるとそれ以上を知ろうとしなくなります。無関心は、本人を孤独の状態に押し戻してしまいます。昨日よりも一歩、明日はもう一歩と、理解への姿勢を止めないこと。この心構えは忘れず持ちつづけていようと思います。