社員インタビュー
中山 ちはる
中山 ちはる
副代表理事(看護師)
2012年入社
大阪赤十字看護専門学校卒業。精神科閉鎖病棟に看護師として就職。その後精神科クリニックでのデイケア業務、訪問看護の経験を経て、しんの設立に携わる。
◆社員インタビュー
Q.精神科の看護師になった理由を教えてください。
A.小学3、4年生の頃、人が信じられなくなる出来事があり、「生きてて良いことってあるのかな?」そんなことを日々考ていました。ある女の子と出逢い、「生きるのも悪くない」そう思えた時から、モノクロの世界に色彩が広がっていく様な感覚を味わいました。
私はそんな経験から、人生に悩み、困難を抱えている人に寄り添い、少しでも人生に希望を見い出せるような関りやきっかけ作りが出来たら・・・。そう思い精神科の看護師になりました。
Q.精神科病棟での経験や感じたこと、地域支援を行うことを決めた経緯を教えてください。
A.病棟での仕事は、思い描いていたものとはまるで違う世界でした。病気や症状を如何に抑えるか、そのために必要なのは、薬や注射、静かな環境、強制的な行動抑制・・・。一時的な入院により、症状は治まり退院する人もいましたが、多くの人は入退院の繰り返しや、長期的な入院。疑問に感じつつも、精神疾患を患った人には、これが正しい方法なのだと自分に言い聞かせて働いていました。
そんな日々の中、出来が悪く仕事の遅い私は、いつしか患者さんたちに助けてもらいながら何とか業務をこなすようになっていました。体温計の回収やベッド周りの掃除、他の患者さんや時に私の話まで聴いてくれたり・・・。すると、助けてくれていた人たちの表情が徐々に良くなっている感覚があり、薬や入院治療以外にも良い方法があるのではないか?と感じるようになりました。
また、出逢った患者さんたちは素敵な方たちが多く、決して偏見の目で見られたり、長期的に閉じ込められないといけない人たちではないと感じました。 そして同時期に、日本の精神医療が他の先進国と比べ大きく遅れていること、世界の精神科ベッドの約2割が日本にあり、入院期間も異常に長く、治療は必要ないのに退院できない社会的入院と言われる人が75,000人いることを知りました。 その事実への衝撃と、自分が感じていた精神医療への違和感、誰もが地域で当たり前に暮らせるような支援がしたい、そんな思いで地域に出ました。
Q.この仕事で一番大切にしていることは何ですか?
A.私たちの元へ訪れる方の中には、様々な経験により、孤独を感じ、人を信じられず、自信や希望を失い、未来を見いだせなくなっている方も多くいます。ここに至るまでの色んな苦労を一緒に受け止めながら、どんな人生が送りたいか?本人の想いや希望を大切にしながら、本人の力を信じ、様々な選択肢を共に考え、共に未来を想い描くようにしています。
出逢った方お一人お一人の幸せを心から願っています。